ターン前半で良い体軸が作れたとしても、その次のステップである荷重の方向・方法を間違えてしまうと、ずれたり・内倒したりしてターンが台無しになってしまいます。
正しい方向に加重することで、よりキレを増したカービングターンになり、滑りが一層格好良くなることを今回紹介していきます。
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体軸作りの次に重要な、正しい荷重
棒立ちカービングに慣れてくると、「谷回りで谷側のエッジに乗れている。逆エッジ斜滑降状態」が出来てきます。これがターン前半の体軸作りがうまくいっている証となります。
そこで、次のステップ「荷重」です。動作のポイントは図の②〜③にかけて。
体軸に沿って真っ直ぐ重心を落とす。おヘソの下(丹田)に重さを感じる感覚だよ
図に書きました。左がフロントサイド、右がバックサイドです。
上の方は、荷重後の姿勢を正面から見た図。下の方は真上から見た図です。
- 上の図で、傾けた体軸(=重心軸)を基準に、重心を下げる
- 下の図の、網掛け部分をめがけて重心を下げる
この2つが重要です。
ポジション強化に役立つハウツーもこちらで紹介しています。併せてチェックを。
今日からボードに仮想のセンターラインをひいて、そこにめがけて腰を落とすようにがんばりましょう!それが出来た時バランス能力は飛躍的に変わるはずです。
まずは、家でやってみる
ゲレンデに出かける前に、一度部屋で試してみてください。
- フロントサイド:直立の状態からつま先立ちをして、かかとを上げた状態を維持したまま低い姿勢になる
ちょっとしたイメージトレーニングですが、わずかにカカトを上げたつま先立ちの姿勢から重心を下げます。
この時に、下げたら下げただけカカトが上がってくれば移動方向としては合っています。しかしながら、重心を下げたときにカカトが地面に付いてしまったら腰の移動方向は間違っています。
- バックサイド:直立の状態から基本姿勢を取り、腰を中心に曲げる。このとき踵の圧を感じることが重要です。
バックサイドのターン中内傾が発生している状態で後ろ膝を曲げる(体を前に捻るもほぼ同様)と後ろ足のつま先は下がってきます(角付けが弱まります)
膝を曲げず、体を前に捻らなければ、角付けを緩める効果を最小限に出来ます。つまり、バックサイドでは膝を曲げない方が角付けが強まる。
別の記事では、人形を使って動作を解説しています。合わせてご覧下さい。
※バックサイドは難しいので、こちらの記事も参考にどうぞ。鏡を見ながらやってみてくださいね。
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違いに気付く① フロントサイドとバックサイドとで姿勢に違いがある
写真を見ても分かるとおり、スノーボードは横乗りのため、フロントサイドとバックサイドで、それぞれ姿勢に違いがあります。
フロントサイドは、膝、腰をだいたい同じ角度で同時に曲げているのに対して、バックサイドでは腰の曲げが目立ち、膝の曲げはそれほどではありません。左右同じ姿勢ではないという違いを認識しましょう。
つま先を上げるためには膝を伸ばさないとできないんです。だから、バックサイドのカービングは膝を伸ばしている方がしやすいんです。
違いに気付く② 日常の動作とも違う
日常の動作において、「立った姿勢→かがむ」というシチュエーションは・・・
- 椅子に腰掛けること
- スクワットをすること
などが一般的だと思いますが、ターン中(特にバックサイド)では、膝を先に曲げてしまうのは何かと都合が悪いです。日常動作で常識的に行っている動きを一旦忘れることも重要です。
間違った荷重をするとどうなるのか
バックサイドを例に、図で見てみましょう。
- 真ん中の図・・・腰を中心に曲げる正しい荷重
- 左の図・・・膝から曲げてしまい、角付けが弱くなった状態です。ターンインで良い体軸が作れても、荷重の際に膝をポキンと折ってしまうとその分角付けが緩くなり、ターン外側に力が逃げてしまいます*1。また、バランスをとるために腰を目一杯曲げ、山回りで苦しい姿勢を強いられることになります。
- 右の図・・・膝から曲げてしまったのに角付けを維持しようとした状態です。内倒してしまっている状態ですので、ターン後半で非常に転倒しやすくなります。過度にかかと側に加重してしまった状態です。
関節を曲げた時に、重心(へその辺り)がバックサイド側に出やすいため、バックサイドターンではターンの内側に重心が入りすぎ、圧力をダイレクトにボードかけづらい
ターンインでの角付けがうまくできていても、荷重の方法が正しくないことで板が寝てしまうとズレるターンになってしまい、逆に切ろう切ろうとする意識が強すぎると、ターン内側に転倒しやすいです。
まずは重心に沿ってまっすぐ荷重できるよう何度も練習してみましょう★
まとめ
- 角付けが強くなる方向に重心を下げることで、より切れたターンが可能になる
- 重心軸に沿って加重することで、ズレ・内倒を防ぐ
- フロントサイドとバックサイドとで動作に違いがあることを理解する
- 日常の動作と、ターン中の動作の違いを理解する
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こちらの記事も参考にどうぞ!
*1:板とブーツは固定されているので、スネを倒した角度と角付けの強さには強い関連があります(大げさに言えば、スネを倒した分だけ角付けできる)