角付けが今ひとつ弱くて悩んでいる人は多いと思います。残念ながら、下のキャプチャのようなエグい角付けはなかなか習得できるものではありませんが、少しずつコツを掴んで行くことが上達への近道となります。
角付けが弱い原因
角付けが弱い最大の要因はシンプルです。軸が倒せていないこと。これに尽きます。
枝葉のテクニックや、ギアの工夫の余地(バックサイドがズレる悩みが一気に吹き飛ぶかもしれない5度の違い)はありますが、本質的にはなんの抜け道も裏技もありません。
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角付けを、足首付近で行う限り、限界が生じます。まず、体軸をがっつりしっかり倒す事を意識する。ここがポイント。
それから足首使えば、さらに角度稼げる算段です。トレーニングは、一切の関節を曲げないで、体軸の倒しこみだけでターンする練習。
どうやったら(エッジが)立つかではなく、体軸を45度傾けた状態が出発点だというのです。「今の滑りの限界の先にカービングターンがあり、それを実感しないとイメージが湧かない。イメージが湧かなければ滑れない」
ということでした。
まさにこれこそが真理です。
なぜ軸が倒せないか
これにはいくつか要因があると思いますが、
- ターンイン(あるいは、直前のターン終了時)で体にひねりが入っており、板が回旋してしまっている
- 谷回りが怖くて重心をなかなか谷に持っていけない
- そもそも感覚が分からない。イメージできない。
などが考えられます。過去記事でも触れましたが、上手くいかないポイントの前段を探ってみる必要があります。
情報が少ない!
じゃあどういう練習をしたら良いのだろうか?どういった練習が効果的なのか?については、ネットでサラッと調べる程度ではしっくりくるハウツーが少ないのも残念なところ。
とたんに情報量が減ってくるあたりが、中級と上級の境界なのかもしれませんね。
先に言うと、棒立ちカービングの練習が最適解
この記事のために(?)2、3シーズンほど人柱になるつもりで、スクールに頼らず・考えて・悩んで・数をこなした結果、行き着いた結論がこれです。
体軸をいかに倒せるか=谷回りでどれだけ板と体が逆さまの状態でいられるか。です。
※慣れると結構楽しくて、ロングターンでこればっかりやってます。
いままでの「常識」に固執する限り決して越えられない壁
滑走ラインを黒線。重心位置を赤線と見てください。まずこの図。
初級・中級の頃は、斜滑降、ノーズドロップなどを中心に滑る事が多いと思います。ターン中、重心はほとんど山側にあり、それが逆転するのは切り返し〜板が回ってくるまでのほんの僅かの間です。「切り返しの瞬間は不安だけど、板が回ってきたら一安心◎」という気持ちになる人は少なくないはず。
次にこの図。カービングターン時の滑走ラインと重心位置の関係です。
先ほどと比べて、重心が谷側にある時間が長い事が分かります。
この天地が逆転した状態にどれだけ慣れることが出来るかが大きなポイント。
続いてこちらの図。上がカービング斜滑降。下がJターンです。
これらの練習も、エッジに乗る感覚を養うのには効果的ですが、ターン前半から角付けを強くするには効果的とは言えません。なぜなら常に重心が山側にあるからです。
ではこちらの図。★印の山回りからの重心移動をA・Bどちらに行うとより角付けが出来るでしょうか。
もちろんBですね。
ですので、「どうしても角付けが弱い」と悩んでいる方は、まだBにいく余地があると思った方が良いでしょう。
何度もゲレンデで実践していますが、軸を倒すには気持ち沈み込むのを待つことが効果的。こちらの記事で詳しく触れていますので参考にしてみてください。
谷回りで軸を倒す練習が決定的に必要
初中級の滑りに慣れれば慣れるほど、この間に会得した常識が邪魔をします。一度得たものを自分で壊すのは、とても抵抗があります。ですが、
- 一番不安なのは切り返しの瞬間。エッジがかかればひとまず安心。
- あとは斜滑降してスピード落として・・・
と考えるうちは、決して超えられない壁があるということも知っておいてください。
いくらJターンを練習しようが、バックサイドでつま先を頑張って上げようが、根本的にターン前半から角付けを強くする事にはならないのです。
ということで繰り返しますが、
ここで書いた、地味〜な練習こそが最も効率の良い上達法だと私は考えます。
フラット滑走が余裕でできるほどの緩斜面から初めてください★
その感覚はまさに「新発見」「新世界」
上手く言ったときの感覚は人それぞれですが、私の場合は、
- 最初は気持ち悪い。とても不安
- でも足下に全く抵抗がない(ずれる感覚がない。「ザザザザ」という音がしない)
- 溝の切ってある氷の上をスケートするような感覚
でした。
自転車で曲がり角を曲がるときに自転車を倒して曲がる感覚に似ています
時々、ぐいーーーーーーーんとボードが走る時があって、コースアウトしてしまうことがありました。いろいろなスクールで、インストラクターさんが、「ボードが走る」「スコーンと行っちゃう」などと言うことがありますが、これがそうなのか!と思いました。
などの感覚もあるようですね。いずれにせよ、いままでの常識からするとまさに天地がひっくり返る差です。
角付けを強めるには軸を倒す事から。新世界への来訪を、心待ちにしています★
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