スノーボード カービングターン上達のまとめ!!

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動いていない?動いている?カービングターン後半(山回り)での板の走り

今回は山回りについて書いてみます。

傍から見ていると大きな動作が無いように見えるターン後半ですが、実は自ら板にしっかりと働きかけを行うことがとても重要です。

ターン後半に耐えるばかりになるか、しっかりと後半も板に働きかけを行い走りのあるターンが出来るかはこの後半部分の動きが大きなポイント。

先の記事の動画をもとに、細かく見ていきましょう。

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山回りの秘密

まずはこちらのgifをご覧ください。

f:id:sunooo:20140212201046g:plainターン中盤(加重しきったところ)〜切り返しまでを5フレームずつキャプチャしたものです。1〜4、5コマ目まではそれほど目立った動きは無いようにも見えますが・・・。

フリースタイルだと少し分かりにくいかもしれませんので、アルペン部門から、玉木プロのバックサイド山回りを参考にしてみましょう。

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玉木プロの板の走り - YouTube

これも先のgifと同じく、ターン中盤から切り返しまでを5フレームずつキャプチャしたものです。一見、1〜3コマ目までは目立った動きが無いように見えますが、4〜6コマ目の移動距離がとんでもなく長いです。何このロケット感。*1

目立った動きが無いように見えるが、なんでこんなに板が走るのか?

ここで問いかけたいことは、決して「アルペンが良い!」という点ではなくて、山回りでどのように力を加えれば、このようにターン後半に板をスムーズに走らせていけるのか。という点です。

力が加えられた板はどうなるか

前の記事で、「軸に沿って真っ直ぐ重心を落としましょう」と書きましたが、これをやると、ボードはどのようになるのでしょうか。簡単な図で解説します。

上は板の上空で重りを掴んでいる様子です。下は手を離して重りが落下しているところ。

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この状態では、板には何も変化がありません。

沈みきった瞬間に大きな力が働く

ですが、接地した瞬間から、板がたわみます。これが、前回記事で紹介した「加重することで板がたわむ」ということの意味です。沈みきった瞬間に大きな力が働くということですね。

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脚を曲げ切ったときに始めてエネルギーとして加重に変換されます。

こうやって滑るようになってから、重さのある滑りが出来るようになりました。

カービング。荷重。|REI AOKI ~スノーボードのススメ~

その後は、板の跳ね返りで、重りがボヨヨンと押し返されます。

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何もしないと元通りに

一度力が加えられた板は一瞬たわみます(カービング中で言うと、きついRを描けるということです)が、そのまま何もしないと板が自然と元通りになって(たわみがなくなって)しまいます。これが板の性質。

人間はどうなるのか

重心の上げ下げは、言葉を言い換えると「立ち上がり・沈み込み」とも表現されます。

立ち上がりの「体が伸びている」様子、沈み込みの「体が縮こまった」様子をバネを例に図で書いて見ました。

左が何も力が加わっていない状態。真ん中が押しつぶした状態。右が手を離した状態です。

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縮んだバネは、手を離すことによって上に飛び上がります。そりゃそうですね。

伸びるときは地面を押している

スノーボードに例えるならば、次の例の方が分かりやすいかもしれません。

左と真ん中は先ほどと同じです。右の図で、「押さえている手はそのままで、台をサッと取った様子」を描きました。

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当然、バネは下方向に飛んで行きますね。

ということは、縮んだものが伸びている間は、下方向への力が加わっていることになります(理科の授業で作用・反作用を習ったと思いますが、難しく言うとそんなイメージです。)

板と体の動きを組み合わせると・・・

これらの簡単な物理の法則を、スノーボードに応用すると、こうなります。

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ターン中盤までに加重(重心の下げ)がうまく行っていれば、赤丸の部分で最も板がたわむことになりますが、それ以降体の動きを止めてしまうと、板は次第に元の状態に戻ろうとするため、最終的にはエッジがかかっているだけ(極端に言うと、サイドカーブのみ)の大きなRになってしまいます。

逆に、加重した(沈み込んだ)直後の縮こまった状態を利用し、自分の体を伸ばしていくことで、板を押さえつける力が加わり板のカーブを維持することが出来ます。



抜重は立ち上がり終わった瞬間に起こります。 立ち上がり始めから、立ち上がり終わる直前までの間は抜重されてません。 では、その間はどうなっているのかというと、加重されているんですね。

スノーボードのカービングの話|スノボーのスー

板の走りの秘訣は・・・

両者の差を網掛けにしました。立ち上がりの力を上手く使うか使わないかで、ここでもズレとキレの差が出てくることになります。当然、加重した直後のきついR(キレ)を維持できている方がスピードのロスが少ないため板の走りも良くなるということです★

逆に、Rを維持できないといわゆる「斜面に落とされる」状態となります。

山回でいつも耐えてばかりいる方は、「体はそのままで板のたわみだけが元に戻ってしまう」状態です。雪面からの圧がなくなる頃には、すっかりターンの勢いも失われてしまいます。これでは流れのあるターンが出来ず、とてもモッタイナイ!

すぐに実感できる!

沈み込んでからすぐに足下から立ち上がるように板に力を加えることで、ターン後半の板の走りが全く変わってくることを実感できるはずです。



・・・出来るようになってくると、立ち上がっている間は雪面を強く押さえていて、立ち上がり終わった瞬間に抜重されることがわかると思います。

スノーボードの滑り方:すぐ立つターン | スノボーのスー

これは、カービングターンであってもドリフトターンであっても効果が分かりやすいです。すぐに実感できると思いますので、是非次回試してみてください★

絶えず動くことが大事!

最初の動画のように、上手い人の滑りや動画を見ていても、なかなかターン後半の体の動きは表立って見えてこないものです。しかし、体の動きではなく、「板が走っているかそうでないか」に着目すると、その違いは一目瞭然。

板の走りの理屈はいろいろ考えられるのですが、あえてここでは1つに絞ります。大事なことは、沈み込んだらそのままにしない!ということです。

次回、とにかく沈み込んだらすぐに立ち上がってみると、違いを一発で実感いただけると思います◎

では、良いターンを★

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*1:ホントに5フレームずつキャプチャしています。初見の時は、この板の走りに大変衝撃を受けました!