今回は板を「踏む」という感覚について書いてみます。「あの人は板がちゃんと踏めている」等というような使われ方をすることが多いと思いますが、これは一体、どういった感覚なんでしょうか???
板が踏めている人はターン後半の走りが違います。滑っていても、傍から見ていても一目瞭然。
ヒントはこの図。
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板を「踏む」というのを定義してみる
板を踏むというシチュエーションは、ターン中盤の沈み込みを行った直後(③)から生じます。あくまで私見ですが、この感覚を定義してみます。過去記事で紹介したこちらの図と一緒にどうぞ。
- 板を踏む力とは、沈み込み直後(③)から切り返し(⑤)までの一連の立ち上がり動作の中で、この時にかかる雪面方向への力のこと
板を「踏む」感覚は、④あたりからの足場の感覚をしっかりと意識することで実感できる
- いかにも不安定そうに、恐る恐る立ち上がったり、雪面からの圧に耐えるようでは、決して板を踏めていることになならない。
手っ取り早く動画で!
スケボーの動画なのですが、超分かりやすい画がありましたのでこちらをご覧いただいた方が早いかもです。これぞ踏む!です。
Skateboards Freeride - YouTube
ネット界隈でのヒント
例えば、オーリーや、スピンをする場合。地上から上空へと飛び上がる動きになる訳ですが、このハウツーでも、足場、蹴る、踏む と言ったキーワードがポイントになっています。
足元を意識して使うというのは、具体的に言うと、つま先やかかとのエッジを使って、角付けをし、その角付けで雪面を捉えて足場を作り、雪面を蹴ります。
右足の裏全体で雪面を踏むようにジャンプします。
また、ターン中の動作では、加重したところから次のターン方向(進行方向)への重心移動が必要となります(切り返しを簡単に克服するイメージ)。ここでは、板を押す、たわませる、反発を感じる という表現も使われています。
「板を押す」「板をたわませる」「板の反発を感じる」「サイドカットだけで回っては いない」などの言い方は、皆これと同じ意味です。
考えるよりやってみた方が早いかも
簡単な方法をいくつか紹介します。
サイドスリップしながら屈伸を繰り返してみる
まずは初級編です。一定のスピードで(あまり速くしなくて良いです)サイドスリップ(まっすぐ滑り降りる木の葉落とし)しながら、重心を上げ下げしてみてください。イメージとしては下の図を参考に。
伸び上がるときに、雪面に大きな圧をかけるような感覚が無いでしょうか?
ターン中盤から早々に立ち上がる
続いて、ドリフトターンで構いませんので、ターンしながら「踏む」という感覚を養ってみましょう。
一番低い姿勢までしゃがんだら、すぐ立ち上がり始めます。
しゃがんだ姿勢で固定しないように気をつけてください
足裏の感覚は、エッジを使って雪面をガリガリと引っ掻くイメージです。(ホットワックスを剥がす時のあの感覚に近いですね)
立ち上がり中はなかなかのGを感じますが、それと併せてターン後半の伸び(板の走り)や、切り返し時の板の反発を感じることができるはずです。
これが、板を「踏む」ということだと考えています。
徐々に、キレを維持した状態で試してみましょう。
板の進化と引き換えにしてしまった?
今の板はとても乗りやすく作られているのでズレないターンは誰にでも簡単に身に付けることができる。しかし、その代償として“板
を踏む”という重要な動作はないがしろにされてしまいがちだ。
棒立ちの状態で体重移動だけの振子のようなターンを繰り返す場合と、ターン前半で思い切り沈めた身体をピークでグイっと伸び上がらせる動作を加えたターンで同じラインをトレースした場合、当然後者の方がスピードに乗った上、安定した滑りになる。
オレは中級者と上級者の差はこの一点、つまり「踏めるか踏めないか」に尽きると思ってる。踏むということは板の性能を限界まで引き出すことに直結しているからだ。
立ち上がり動作の中で、自然と雪面を押す力が働きますので、ターン後半で足場をしっかりと意識することが重要だと思います。
板をどんどん踏めるようになると、動きもダイナミックに・迫力を増すようになってきますので、是非そんな感覚を味わってみてください★
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