「お金がかかる」という理由で日頃スクール通いをしない私ですが、今回意を決してレッスンを受けてきました。
私は、「スクール代に充てるお金があれば、それをリフト券代に充てたい派の人」なのですが、やはり上手な人から客観的なコメントをもらえるというのはとても有意義でして、大満足の結果でした!自分でも、更なるレベルアップができることを実感しています。今回、それを皆さんに広く知っていただこう!というのがこの記事の趣旨。
今回のレッスンの概要
お邪魔してきたのは、テク選上位入賞者が校長先生を勤める某県のスノーボードスクール。私ともう1名の方の合計2名での受講です。
レッスンの内容は、姿勢・フォーム・ポジションの強化方法。既にJSBAバッジ1級を持っているので、テクニック的な部分のレッスンになるかと思いきや、初心にかえって基礎練習・基本動作をみっちりとおさらいしましょう。という趣旨でした。
基本動作を教わる機会は意外と少ない。初級者〜上級者まで有効!
今回教わった内容は、初級者〜上級者までどなたにも役立つ内容である。とうこと。
意外と基本的な練習方法をしっかりと教わる機会が少ない人も多いかもしれませんので、せっかくの機会。ここで紹介したいと思います。
※長文のため、後でじっくりと読み返していただくことをオススメします。
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基本姿勢の確認(斜度:無し)
最初に行われたのは、基本姿勢の確認。
こちらのサイトに詳しいやり方が書いてありますとおり、非常に重要です!
まずは、何も意識しなくてもこの姿勢を取れるようにするのが第1優先。
基本姿勢ができているのとできていないのとでは、上達のスピードが全然違います。頑張って練習しても、基本姿勢からやり直しになっちゃいます。
両腕を有効活用。バランスを取る役割を左右の手に持たせる。
基本姿勢にプラスして、左右の腕に「バランスを取る役目」を持たせることで、滑りがより一層安定します。
- 前の手は回旋動作をリードする役割。
- 後ろの手は、体軸のバランスを取る役割
それぞれ、こういった役割を持たせます。(←これはレッスンを受けて初めて教わった!)
基本姿勢では、前の手は前膝の横(カカトの上空あたり)、後ろの手は後ろ膝の前(母指球の上空あたり)に配置します。
スノーボードの滑り方:基本姿勢 | スノボーのスー
この状態から前の手を左右に、後ろの手を上下に、それぞれ組み合わせることで、斜度変化に応じたバランスを取りやすくなります。
頭の位置は板の上に。目線は常に進行方向を
体軸上に頭があるように意識します。
特に、ついついやってしまいがちなのが、フロントサイドで頭がターン内側に入ってしまう症状。
今一度これらの姿勢をチェックした上で、滑り出します。
上下動(斜度:無し〜緩)
低い姿勢が取れるようになれば、スピードを出したときも滑りが安定します。
基本姿勢の状態からどこまで低い姿勢を取れるか。という動作を繰り返し行います。
- まずは平地で(滑らずに)行ってみて、バランスを崩さないことを確認。
- 続いて緩斜面で滑りながら同様に行います。
エッジはどちらにも掛けず、終止フラットで滑ります。沈み込み具合は、両手で地面を触れるぐらいまでの低い姿勢を目安に(←結構キツいです)
動作のポイントは、単に上下動するだけではなく、常に雪面に圧をかける意識を持つこと。
自分の足裏センサーを磨くことで、滑走中常に自分の状態を敏感に察知することが出来るようになります。
普段なら直滑降で流してしまうような緩斜面が格好の練習場所となります。
ジャンピング斜滑降(斜度:中)
上下動の応用編。今度はカービングで斜滑降しながら両足飛びを何度も繰り返します。
スノーボードの滑り方:ジャンプ斜滑降 | スノボーのスー
これが出来るようになれば、ターン後半の安定度がかなり良くなるはずです。
びたっと着地が決まるポジションが最もバランスが取れているポイントになります。
フロントサイド、バックサイド、両方試してみて、うまく行かない部分が無いか確かめてみましょう。
特に、ターン後半で内倒する癖のある方は、これがうまく出来ないはずです。
棒立ちカービングターン(斜度:緩)
いつも弊ブログで一押ししているレッスンです。
体軸を倒すだけでターンしながら滑ります。体軸の傾き=角付けとなりますので、カービングに必要な「角付け」の感覚を得るには最適な練習です。
ポイントは、板のサイドカーブだけで滑ること。動作を分解すると以下のようになります
- 上下動:なし
- 前後動:少しだけ
- ローテーション:板と同調する程度
- 体軸の傾き:基本的にこれだけで滑る
内倒している人、体をひねってしまう癖のある人は、これがうまく出来ません。
過去記事に詳しく書いていますので、参考にしてみてください。
気持ちスピードに乗せた方が最初はやりやすいと思いますが、スピードが遅いほどバランスを取るのが難しく、ごまかしがききませんので良い練習になると思います。
リーンアウト(斜度:中)
傾いた体軸(重心軸)を次のターン方向へと向かわせるために、意図的に重心を外していく動作です。
意外と誰も教えてくれないのですが、実はターン後半〜切り返しのための必要動作であると確信しています。
やり方については過去のこちらの記事を参照してください。
この事実を知らない方は結構多く、多くの中級者の方はターン後半で動きが止まってしまい、
- バックサイドではターン内側に尻ゴケしてしまう、板がガガガとなる。
- フロントサイドでは腰がぽきっと折れて、斜面にお手つきしてしまう。
これらの症状を改善するのに特に有効です。
Jターン(斜度:中)
カービング斜滑降、リーンアウト。これらを複合させた練習になります。滑走中のポジション変化の練習に絶大な効果があります。
滑りながら、ターンの後半部分のポジション・重心の移動がうまくできるかチェックしてみましょう。
ジャンプ斜滑降での練習を思い出しながら、バランス良い姿勢・ポジションを保つ意識も持って下さい。
スノーボードの滑り方:山回りカービング | スノボーのスー
動作を分解すると以下のようになります
- 上下動:普通のターンと同様に使う
- 前後動:前→後ろへの意識が非常に重要
- ローテーション:ターン方向をリードするように使う。
- 体軸の傾き:山回りに限定してフルに使う。リーンアウトはバランスを維持する程度。谷側への重心移動は行わない
ずらさずに、どこまで斜面に切り上がっていけるか。というのを目安にすると良いです。
斜度が絶えず変化するので、自分が思っている以上に体軸や前後の加重配分を動かす(=体を動かす)必要があります(特にバックサイドが難しいです)
詳しくは過去の以下の記事でも触れていますので、是非参考にしてみてください。
ノーズドロップ(斜度:中〜緩)
ターンの始動に欠かせない前後の体重移動を強化するのに絶大な効果があります。
ターンインでは前足にしっかり体重を乗せていかないと、うまく滑ることが出来ません。これは、カービングターンであろうとドリフト(スライド)ターンであろうと同じです。
スノーボードは、体重がかかっている方の足から滑り落ちていきます。この基本的な原理・自然の仕組みをターン中にうまく使えるようになるのがこの練習の最大のポイントです。
- 上下動:普通のターンと同様に使う
- 前後動:フラット→前への体重移動をフルに使う
- ローテーション:板と同調する程度
- 体軸の傾き:使わない
この練習では「体軸を倒さない」という点が非常に重要です。
前足にしっかりと体重を乗せ、自然と板が回りだすまでそのまま我慢。こうすることで、自然落下によるターンが洗練されていきます。
フロントサイドは母子球に、バックサイドはカカトの外側あたりに体重がかかるよう意識しましょう。足裏だけでなく、足首、膝、腰の位置をうまく工夫することが大事です。
こちらの記事で詳しく書いていますので、参考にしてみてください。
私の悪い癖は、ここでついつい体軸を倒してしまうこと
これは、緩斜面で行うとごまかしがききません。体軸の入れ替えでターンを行う癖のある人ほど特に顕著に表れてきます。
(日頃ノーズドロップは斜度がきつめのところでやっていたのですが、今回あえて緩斜面でのノーズドロップをレッスンされたことで、普段の癖がはっきりと出てしまいました。)
インストラクターさん曰く、
- 上級者ほど角付け角付けしたくなるので、緩斜面でのノーズドロップはうまく出来ない人が多い。
- そのためこの練習は得に効果的。体軸だけを使ってカービングする人はどうしても足下がペラペラ(不安定)になりがち
- 板が回るまで前足に体重を乗せ続ける感覚を常に意識することで、スピードに遅れず、足下がどっしりと安定した滑りが可能になる!
とのことです。
自分でもうっすらと認識していた「ターン前半の前足加重」の弱さが、今回浮き彫りになりました。この課題が見つかっただけでもかなり大きな収穫です。
ターンをパーツ事に分解して練習することで、苦手克服が簡単に。
普段こういった部分練習をしない人は「自分は一体何が苦手でうまく滑れないのか」というのに気づくことがありません。
棒立ちカービングターンやノーズドロップ、Jターンなどのように、ターンに必要な動作を限定して練習することで、自分の苦手な部分に気づくことに大いに役立つはずです。
それと今回のレッスンで驚いたのが、斜面を全く無駄にせずに練習していたこと。緩斜面、中斜面、どんなところでも貪欲に練習できるものなのです。
それぞれの動作がしっかりと自分のものになれば、きっとターンの質が大幅に向上することでしょう。
この記事を書いてて、私ももっと練習したくなってきました!
参考になれば幸いです!
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