以前「スノボの滑りについてのお悩み相談お受けいたします」と書いた件で、ありがたいことに早速ご相談をいただけました(しかも公開OKという男前っぷり!)ので、早速回答させていただきます。
スポンサーリンク
@karusu2178さんのお悩み「急斜面でバックサイドターン時に逆ひねり」
お問い合わせの内容はこちら。
@yukiyamadataro カービングしたいと考えている初級者です。初歩的な質問で申し訳ないのですが、急斜面になるとバックサイドのターン時に逆ひねりの癖が出てきてしまうのですが、これを治すにはどんな練習が効果的でしょうか?質問は公開で構わないです。よろしくお願いします。
— karusu2178 (@karusu2178) 2015, 1月 20
初歩的だなんてとんでもない!このような何気ない自然体でのお問い合わせこそありがたく、むしろ私も「あ、こういった観点の解説が足りなかったのか」と気づかされることが多いのです。
ということで、お悩みのポイントを整理すると
- 急斜面で
- バックサイドターンの導入時に
- 逆ひねりの癖がでてしまう
- これを治すためにどんな練習が効果的か?
とのことです。
いきなり回答!効果的な練習は、急斜面でのノーズドロップ、緩斜面での棒立ちカービングターンです。
まず、急斜面(いつも、逆ひねりの癖が出てしまうという場所と同じ斜面)でのノーズドロップ。
これは、スピードが出ていない状態でもバックサイドターンの始動に逆ひねりが出てしまうのか。
緩斜面では、逆ひねりに頼らないターンがフロントサイド→バックサイドへの流れの中でできるようになっているか。
これらの原因をつぶしていくことが重要だと思います。
原因を掘り下げると、スピードへの恐怖心から、体が思うように動かない?
@yukiyamadataro はい、その通りです!さらにスピードに乗り遅れてるのか恐怖からか左肩が上がって後傾気味にもなります…
— karusu2178 (@karusu2178) 2015, 1月 20
おそらく、「急斜面で」「後傾気味」と言われているのが解決のための重要なポイントかと思います。
ターンの始動に必要な3つの要素。回旋・前足加重・軸を倒す
フロントサイドターンからバックサイドターンへ切り返す際に(逆も同じ)、板を切り返す方法は大きく3つあります。
1つは回旋(順ひねり・逆ひねり)
2つめは前足加重(先落とし、ノーズドロップ。とも言われます)
3つめは体軸の入れ替え
それぞれ、どれもターンを行うために必要な運動要素ですので、「回旋で切り返しているから絶対ダメ」ってことはありません。滑り方のテクニックがいろいろあって、質問者さんは逆ひねりを主体として切り返しているってだけなのです。
逆ひねりでの切り返しのメリットは、前後移動と体軸の移動がほとんどいらないこと。
これはPCの前で椅子に座っている人なら今すぐ簡単に確認できます。
椅子に座った状態で足を床から離し、足だけをねじろうとすると、、、、きっと上体は足をねじった方向とは逆の方向にねじれるはず。
何が言いたいかというと体のねじり(逆ひねり)を使えば前後移動(※1)も体軸の移動(※2)も関係無しに、一瞬で板がターン方向に回せるということ。
==
※1 ターン後半の後ろ足加重から、次のターン始動のための前足加重
※2 山回りから谷回りへの体軸の入れ替え
==
逆ひねりはスピン系のテクニックで多用されているだけあって、クイックに板を回せる技術のため、いちど逆ひねりで板を回して切り返してしまう癖がついてしまうと、ハイスピード時はどうしてもそればかりに頼りがちになってしまいます。
本来、スピードを出した状態で逆ひねりに頼らない切り返しをするには、自分が思っている以上にダイナミックに体を動かす必要があります。
それが、これからお伝えする前後移動による切り替えし(ノーズドロップ)と、軸移動による切り替えし(棒立ちカービング)の練習で学べるはずです。
必要な練習1「ノーズドロップ」
いつもの癖が出てしまう斜面で、
- まずはつま先側で静止し、腰を落とす(ブレーキをかけるときのように、中腰ぐらいまで姿勢を低く)
- そこから前足カカトに体重をかけ、板が回ってくるまで我慢。だいぶ我慢!
(怖いですが、一度このように極端に前足に体重を乗せて、ゆっくり板が回るまで我慢してみましょう。)
- 絶対に逆ひねりは使わない!
- 板が回ったら静止
これを繰り返してみてください。
ここでのコツは、まず低い姿勢から始めること。前足カカトに体重をかけたらずっと我慢すること。です。
谷側に身を投げるような恐怖、その姿勢のままかなり谷まで落下する感覚があると思いますが、それでOK。必要な試練だと思って何度もやってみてください。
ターンインでは前足にしっかり体重を乗せていかないと、うまく滑ることが出来ません。これは、カービングターンであろうとドリフト(スライド)ターンであろうと同じです。
スノーボードは、体重がかかっている方の足から滑り落ちていきます。この基本的な原理・自然の仕組みをターン中にうまく使えるようになるのがこの練習の最大のポイントです。
えいや!と前足に体重を乗せます。後ろ足を伸ばす意識を持つと、動きがスムーズにできるかと思います。
カービングターンの導入時*1は前足に体重を乗せることが重要です。ノーズドロップでも全く同じことが言え、真上に立ち上がるとうまくいきません(前足に重心が乗らないので、板が回ってこない)
これをひたすら練習することで(おそらく1、2日では足りないぐらい数をこなす必要があると思います)劇的な進歩が望めるはずです!
必要な練習2「緩斜面で棒立ちカービングターン」
今度は、一連の流れで「逆ひねりを一切使わずに」体軸の入れ替えだけを主体としてターンする技術を学んでみましょう。
フロントサイドターンからバックサイドターンへ切り返す際に(逆も同じ)、板を切り返す方法は大きく3つあります。
1つは回旋(順ひねり・逆ひねり)
2つめは前足加重(先落とし、ノーズドロップ。とも言われます)
3つめは体軸の入れ替え
詳しいやり方はこちらに書いてありますが、一部を抜粋すると
この練習は、基本的に体軸を左右に倒すだけの練習です
角付け・加重の「角付け」だけに特化した動きとなりますので、まずはサイドカーブだけで滑る感覚を身につけましょう。
非常にシンプルな練習ですが、ただ単に軸を倒すだけ、板と同調するだけでもかなり難しいと思います。
特に、逆ひねりで切り替えしをする癖のある方や、無理矢理後ろ足で板を方向転換させる癖のある方には効果てきめん。
といった練習になります。
棒立ちカービングターン - YouTube
こちらの練習も、先のノーズドロップと同様、ひねりを使わない切り返しを学ぶのに大変効果的。
カービングの質が上がれば上がるほど、緩斜面でもかなりのスピードが出せるようになりますので、その状態でもひねりを使わないでターンできたらバッチリ!
ひねりを少しでも入れると、すぐに板がズレてしまうのが分かると思います。そうならないように常に体と板を「ねじるのではなく同調させる」感覚を掴むと良いでしょう。
まとめ
というわけで、@karusu2178さんのお悩み「急斜面でついつい逆ひねりをして切り返してしまう」方には、
ノーズドロップと、棒立ちカービングターンの練習がおすすめ!
緩斜面、急斜面と、どちらでも対応できる練習をそれぞれご紹介しましたので、どんなゲレンデに行っても練習できると思います。
簡単そうに書きましたが、根詰めて取り組むと1、2シーズンは平気で掛かってしまうかもしれません(私がそうでした。というか今もときどきやってます)
とても地味〜な練習(そしてゲレンデでこんな練習をしている人はほとんどいない!)なので、スノーボードの楽しさを忘れないよう、時には気分転換で好きなように滑ることも忘れないでくださいね。
参考になれば幸いです!
分からないところ、補足が欲しいところがありましたらお気軽にお知らせください。
では!
スポンサーリンク