私の最近のもっぱらの悩みは、「高速域、ハイスピードで足下が不安定になることが多い」というもの。
重心移動の方向には気をつけているつもりなのですが、エッジング(角付け)が今ひとつ弱いことがしばしばあり、技術力不足かなぁ。と思っていたのですが、トーションを使う事で、高速域でもかなりターンが安定することを教わり、滑りが一皮向けました!
ここで紹介させていただきたいと思います。
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トーションとは何を意味するのか?
平たく言うと、板のねじれのことなのですが、こちらのGIFをご覧頂くのが手っ取り早いです。
この板のねじれがトーションです。
これを利用することで、特にターン前半・谷回りのエッジの捉えをこれまで以上に早く行うことが可能になる。というもの。
私もこれを試してみて、まるで新しい板に乗り換えた時のようにターンがものすごく安定するようになったのです。
以前、ニューモデルの板に試乗して感動した記事を書いた事があるのですが、
この時と同じぐらいの安定感を得る事が出来たような気がします!
自分の技術が向上し、カービングの質が高まってくると、ボードの性能を重視するようになります。もっとカービングするためには?もっと急斜面で安定させるためには?そう感じるようになって初めて、トーションについて考えるようになります。
トーション。。。 | 非公認ブログスノーボードスクール
本件の経緯
事の発端は、最近好評を頂いているお悩み相談コーナーでのやり取り。
@leftside41 こんばんは。いつもありがとうございます!
トーションですか。言われてみれば私もあまり意識していないです。ただ、ショートターンをやっている時や、ロングの切り替えしの時のことなどを思い出してみると、無意識のうちに板はねじれている(であろう)気がします。
— 雪山田太郎 (@yukiyamadataro) 2015, 1月 26
@yukiyamadataro
「これをターンに応用する~」というそれが今回のすべりのお悩み相談です。
ターンのどこに組み込むかが問題ですよね。
— みどり (@leftside41) 2015, 1月 29
みどりさん(@leftside41)からのこのツイートをきっかけに、「トーションをターン中に意識して取り入れてみたらどうなるか」というのが、今回の記事の概要です。
ターンの始動に必要な要素は3つ→4つ
過去の記事では、ターンの始動に必要な要素は3つあります。とお伝えしていたように、これまであまりトーションをターンに取り入れる意識は薄かった。のいうのが正直なところでした。
板を切り返す方法は大きく3つあります。
1つは回旋(順ひねり・逆ひねり)
2つめは前足加重(先落とし、ノーズドロップ。とも言われます)
3つめは体軸の入れ替え
過去に入ったスクールでも「前膝を使って切り返し」を教わったこともあったものの、自分のターンにすぐさま馴染むレベルにまでは至らず、「もしかして技術力不足?」とさえ思っていたのですが、ところがドッコイ。タイミング良くトーションを使う事で、よりダイレクトに板に働きかけが出来るようになる事が分かりました。
トーションをターンに取り入れるための練習①板のねじれだけでノーズドロップ
従来のノーズドロップは、このように前後に体重を大きく動かして始動させるのが一般的なのですが、、、
ここでは、敢えて板のねじれだけを使ってノーズドロップを行います。手順は以下のとおり
- 両足均等荷重で静止(つま先側エッジで停止している例)
- 後ろ足はそのままで、前足のみカカト側に踏み込む
- するとその場で板がスルスルと回りだす。
- 直滑降になったら両足ともフラットに(エッジかけない)
- そこから再度前足のエッジをカカト側に踏み込む
- すると体が谷側を向くので、両足均等荷重のカカト側で停止
(エッジ操作のイメージ図)
試していただくと分かるのですが、通常のノーズドロップよりもかなり早い段階から板が回るようになります。
まずはこの練習で、トーションだけで切り返しができることを試してみてください。
トーションをターンに取り入れるための練習②後ろ足荷重のままターン
今度はターン中の切り替えしにトーションを取り入れてみます。
やり方は、私が敬愛してやまないスノボのスーさんにある解説を一部抜粋します。
(バックサイド→フロントサイドの例)
※前足に体重をかけに行くわけではない(通常のノーズドロップはしない)
- 前足に体重をかけない代わりに前膝と前足を次ターン方向に回して行くこと
これで、より実際のターンの動きに近い状態で、トーションを用いた切り替えしを練習することが出来ます。
いつものカービングターンでトーションを取り入れる。
ここまでを何本か試してみて、ボードの動きの変化を感じたら、実際のターンに取り入れてみましょう。
一度に色んな動きを行おうとすると、混乱してしまいますので、ここでは仕掛けるタイミングの一例として、分かりやすいものを一つだけ。
それは、
切り返した直後のフラット期〜次ターンの前足の捉えまでの間に、前足(前膝)で板をねじる。
というもの
(バックサイド→フロントサイドの例)
(フロントサイド→バックサイドの例)
こうする事で、切り替え直後の谷回りでのエッジの捉えを、これまでよりも一層ダイレクトに・素早く行う事が可能となります!
私が何にも考えずにトーションに意識を向けて滑ってみた時の感想はこちら。
@leftside41 今日試してきました!
エッジの捉え(食いつき)がとても早くなるので、足下がかなり安定するのがびっくりしました。一方で、FSは急に曲がりすぎてしまうことがしばしば。また、前後移動とタイミングを合わせるのが難しいですね。トーションだけに意識が向いてしまうと、
— 雪山田太郎 (@yukiyamadataro) 2015, 1月 30
@leftside41 ろくに体軸も出来ていないままエッジだけで(エッジの食いつきの良さに甘えてしまったまま)ターンしに行ってしまうことが注意すべきところだな。と思いました。
かなり荒削りな滑りをしても転ばなかったのには驚きです(笑)
— 雪山田太郎 (@yukiyamadataro) 2015, 1月 30
ねじり加減の大小により、急に曲がりすぎたり、逆にズレてしまったりする要素もあるので、何度か試してみて「しっくり来るポイント・加減」を探ってみると良いと思います。
まとめ
トーション(下半身の先行動作、足下からの切り替えし)を意識する事で、より反応の素早いエッジグリップが可能となる!
今回ご紹介した内容は、特にハイスピード・高速域での動きに効果があると思います(もちろん、ショートターン等、他のシチュエーションにも応用できますよ)。緩めの斜面であれば余裕を持って滑れる方も、斜度が上がるほど足下が不安定になってしまう!という経験をしている方も多いはず。
過去記事では、主に上半身や膝・腰の動きを中心として解説してきたので、以下の記事も関連度の高いものとして参考にしていただけるかと思います。
下半身の先行運動(ステアリング)は板により近いところで運動を始動するので、非常に速く板に反応が現れ、また板から遠い上半身が余計に動かないためにターンが安定します。よって中級者からは下半身の先行動作を覚えることが好ましいでしょう。
カナダでスノーボードとコーチング カナダのターン技術 ①
足元から倒す意識で行なうとエッジグリップがよくなる。その時、前足裏から雪面をしっかりと捕まえるようにしよう。(コラム:ボードに効くツボ vol 11)
aidajiro Official Web Site -Jiro's club- 会田二郎オフィシャルウェブサイト
参考になれば幸いです。
では!
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