スポーツのメンタルトレーニング的な考察について、一体験談としてシェアします。
平たく言うと、「脳はいろんなことを言ってくる。それに支配されると体も動かなくなる。」「脳が言ってくるネガティブなことと、実際の身体の感覚は異なる(案外体は動く)場合が多く、単に悪い方に錯覚させられてただけなのかも?」ってことの体験談です。
記事概略
- スノボシーズンインを目前にして久しぶりにジョギングした。
- 以前読んだインナーゲームの内容を思い出した。
- 自分の内面に現れてくる自己を区別することでパフォーマンスが上がった気がする。
- スノボにも応用が利くのではないか?
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経緯1。半年ぶりにジョギングを再開し、大発見。
http://googirl.jp/daieltuto/1503jog055/
先日、サロンの関西組のメンバーさんと一緒に食事する機会がありまして。
そのときに「よーし。シーズンインも間際だから今のうちに走って体力あげとこうかな」という気になってですね、今朝、久しぶりにジョギングを再開したんです。
半年ぶりのジョグだから、「さぞかし体は悲鳴をあげるだろう」「体力落ちまくっているだろうから、20分ぐらいで帰ってくるんだろうな」ぐらいの感覚で出かけてきたんですが、そんなことは全くなくて、凄い発見をして帰ってきました!
経緯2。インナーゲームで説かれる自己
過去に何度か紹介しているのですが、数年前にスティーブジョブスの本を読んでから禅や瞑想などのメンタルの世界にも興味を持つようになりました。それ以来自分を見つめる取り組みが結構好きなんですね。
スノボに関しても、メンタルトレーニングについての参考記事を書いたこともあるのですが、今回その考察がさらに深まりました。
ぜひ合わせて読んでいたたきたいのがこちらの本です。
日刊スポーツ出版社 (2000-07-04)
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この本の最大のポイントは
- 自分の中には2種類の人格/人間がいるということ。
- これがスポーツするとき(おそらく、日常の生活であっても)にものすごく影響してくるということ。
の2点です。
今回このことを自分の身をもって体験してきたんです。
走っている最中にいちいちあれこれ言ってくる自分を発見
本を読んだ直後はあまり実感として湧いてこなかったのですが、何年か経った今、このテーマが自分の中で熟成して、ジョギング中にこんな会話がありました。
登場人物はこの2名。
セルフ1さん。いっつもごちゃごちゃ言ってくる私
セルフ2さん。本当の自分の方の私
上り坂に差し掛かったとき
なんだよ。登りってきついんだよな。遅いしじれったいし。ああしんどい!
そうか!平地や下り坂で出せるスピードと違うからしんどく感じていたんだ!スピードは確かに落ちる。でも足は動く。前には進む
下り坂を駆けるとき
あああ、早い早い!転ぶぞ!そんなスピードだしたらしんどいぞ!膝壊すって誰かが言ってたぞ!
お〜。膝・体を守ろうとしてセーブしながら走っているんだ。ブレーキをかけるようにして走ってるの笑えるw ん?スノボは斜面を下るスポーツだよな。この程度の下り坂で体を前に前に持って行けなかったら、スピードに乗れないんじゃね?
(滑走中をイメージして、前へ前へとぐいぐい重心を移動させる。)
ダメだって!危ないって!怪我するぞ!!
言ってる言ってるw でも、足ももつれないし、体も心肺も付いてくる!え?何これ?俺の体こんなに動いてくれるんか!今まで自分の身体を全く信用しないで走ってたんだ〜(笑)
平地で走っているとき
ちょっと苦しいわ。しんどいし、もうやめない?
・・・って思うのね。その苦しさは本当か?体は・・・動く。呼吸は・・・できる。今はまだ走れるじゃん!
足に違和感が出てきた時
ほらほら、足が痛くなってきたぞ。そろそろやめないと怪我するぞ。
確かに感覚はいつもと違う。それって本当に痛いの?・・・痛くは無いな。体は、、、動く。呼吸は・・・できる。うん、まだ走れる。
あそこまで走りきろう。と決めた時
あそこまで走りきる?そんなことしなくていいじゃん。自由なんだし。今すぐ足を止めちゃいな。
あそこまで走ると決めたから走る。体は動く、呼吸もできる。ゴールに誰か待っていると想定してみるか(実際にはいないけど、いたとして)まだまだ走れる気がするな〜
走り終えたとき
(ちょっと吐き気を一瞬もよおす)
はい、酸欠〜!ほらほら言わんこっちゃ無い。体を止めて休みなさい!気持ち悪い気持ち悪い〜
よく頑張ったわ。やっぱり体力自体は落ちてたのね(笑)この酸欠の感覚ってことは、、、酸素が欲しいんだな。息をたっぷり吸って、吐いて、たっぷり吸って、吐いて。。。おぉ!吐き気が一瞬でなくなった!
という、不思議な体験でした。
半年ぶりのジョギングなのに、40分走り続けまして。
ブランクがあっても5-6kmをケロッと走れた自分の身体のポテンシャルに驚きました。
セルフ1による妨害を防ぐためには、意識を「現在、この場所で起こっている事態」に集中することが重要であるとされる。これは、善し悪しの判断をせずに、「変化する知覚要素」に注意を注ぐことでもある。したがってインナーゲームにおいて勝利を収めることは、集中力を高めるということでもある。
インナーゲーム - Wikipedia
自分の現状を知れば変わり始める
2/3 コーチングの基本を知ろう!1 教えるコーチ・教えないコーチ [コーチング] All About
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スノーボードへの応用
今回の出来事を、スノーボードにも応用してみたら、きっと面白いことが起こるんだろうな!と思っています。
例えば、
- いつも恐怖心で体がすくんでしまう。
- 動くべきときに必要な動作ができなくなることが多い
- 吹っ飛んだら怪我するだろうな(実際にはしたことは無い)、痛いだろうなという思いが先行してしまう
というのがしょっちゅうあるのですが、
これを今回の体験に重ねると、セルフ1と呼ばれる自分の意見に完全に体が乗っ取られた状態。ってことだと思うのです。
一種の癖のようなもので、反復練習を通じて乗り越えていくしか無いと思っていたんですけど、(もちろん繰り返しの練習はベースとして必要で、プラスアルファで)
- わーわー言ってくる自己を区別する
- そして動作を仕掛けてみる
ということは、きっとできるような気がしています。それが、「自分の身体の能力を信じる」ということなのかもしれません。
今シーズンの滑りのテーマは「自己に克つ」
今シーズンの課題は、すごく細かいところでいうとバックサイドのターンの精度を上げる。という点なのですが、その根本で邪魔をしてくるのは、「恐怖心」「悪い癖(=過去それでうまく滑れちゃった一時的な成功事例)」だったりするんですね。
わかっちゃいるけど、体がそう動かない。というところにチャレンジしたいと思う今シーズンです。
己に勝つことは、すべての勝利の中で最初の、そして最高のものだ
哲学者/デモクリトス
インナーゲームの本を再読している。インナーゲームとジョンストンのインプロには共通の哲学がある。もしインナーゲームを指揮や音楽教育に応用できるなら、インナーゲームをとおしてインプロと指揮・音楽教育を接続できるのでは?もっと探究したい。https://t.co/YjcDcxOL3b
— 高尾隆(どみんご) (@takaotakashi) 2016年12月3日
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