余裕を持ったスピードでは上手に滑れるという人も、スピードが上がった途端動きが縮こまってしまい、ハイスピードでは上手く滑れない!という方は意外と多いのではないかと思います。
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単にスピードを出すだけであれば、勢いのある方々に軍配が上がるのですが、それにターンの美しさをプラスしようとすると、カービングをしながら高速域でダイナミックに身体を動かす必要があります。
しかしこれにはかなりの慣れが必要。
トップスピードに乗ってからこそ、むしろ思い切って前後に身体を動かしていくことの重要さに改めて気づいたので、そのコツを紹介してみようと思います。
高速ターン中は、自分を追い越すように切り返す!
今回の記事では、前後の体重移動に限定して解説します。ターン後半のテールへの後ろ荷重から、次のターン前半のノーズへの前足荷重。この前後の移動についてです。
意識するポイントはターン後半から次のターンの前半までの間。
以前書いた図で言うと③、④〜⑥までの間にかけての意識です。
ターン後半部分に差し掛かった頃から、次のターン前半の姿勢づくりを意識しだします。ちょど下図のあたり
おそらくこういった後ろ足荷重の低い姿勢になっているはず。
下の図で言うと左側の絵になります。
そこから右側の姿勢のように「自らノーズ方向に飛び出すような」意識を持って切り返しまでの動きを行います。
一連の動作をGIFにすると、だいたいこのようなイメージ。
動画の始まりが③④のあたり。一番最後のコマが⑥のあたりになります。
前回記事の、ノーズドロップのコツと動きが似ていることに気づきませんか!?
(前後の体重移動のコツは高速でも低速でも同じなのです)
意識のコツは「前方に転んでしまう!」ぐらいでちょうどいい
この動き、平地でやってもらうと分かるのですが、かなり前足に力がかかります。
後ろ足で地面を蹴って、前足に体重をのせる。
大げさに言うと前足一本だけで立てるぐらいの体重の移動を意識することで、スピードに負けない動きができると思います。
高速域では、ついつい恐怖心から動きが縮こまってしまいがち。しっかりとターン前半に前足に体重を乗せないと、どんどん悪循環にはまってしまい流れのあるターンが出来ません。
高速域でこそ、思い切った前後移動が重要というポイントを意識していただけたらと思います。
動作のコツは「後ろ足で地面をしっかりと蹴る(グリップする)こと」
続いて、具体的な動作のポイントについて。
後ろ足に体重が乗った状態(③④の位置)から前足に体重を移動させるには、足場が無いと動きようがありません。
平地であれば地に足が付いた状態なので特に何も意識しなくても後ろ足のグリップはできるはず。
斜面では遠心力、重力、慣性、様々な力が働いており、さらに自分の身体もターンにより傾いているため、いまいち意識のしどころがわかりづらいです。
macを雪面に見立てると、後ろ足でmacを突き破るようにして足場を意識することが重要です。
JSBA1級を受験した時のインストラクターコメント
当時、インストラクターに教わった内容をノートに書き記していたので、参考までに晒してみます。
この時のインストラクターさんは、前後の体重移動を「頭の位置を前後させる意識」を持つと良い。という教え方をしてくれました。(転ばないように守りに入って縮こまっている私の滑りを見事に指摘してくれたのです。)
スピードに遅れないよう、動作のコツを「頭の位置」という切り口で表現してくれ、
- ターン後半は頭の位置はテール側に。ターン前半は頭の位置をノーズ側に移動させる。
- 切り返しの時はノーズのさらに前方方向に飛び出すようにして体重移動させる。
というポイントで手ほどきいただいたのを思い出します。
確かにこうすることで前後の体重移動は出来上がる算段ですが、何年かぶりにこのメモを見て補足するなら、足元の足場の感覚を意識することで、より一層前後の動きが確実にできるようになるかと思います。
まとめ
- ターン後半から次のターン前半へは、前後の体重移動が必要。
- この体重移動のためには、きっかけとなるターン後半の後ろ足のグリップ(足場)が必要。
- 後ろ足で雪面を蹴る(踏む)ようにして体重を前方に移動
- 体重移動はノーズ方向に体ごと飛び出すぐらいの意識を持つと良い
- 足場を意識し、自分を追い越すように切り返す!
スピードに乗った状態でこれらの動作を行うにはかなり勇気が入りますが、是非少しずつ慣れていってもらいたいと思います。バッジテストを受験する際も、スピードに乗った状態の動作が求められますので、練習している時から高速域での動作を染み込ませておくことが重要。
これらのコツを意識することで、スピードに負けない(身体が遅れない)ターンが可能になるのではないかと思います。
参考になれば幸いです。
では!
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